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こどもの正しいクツ選び 連載第2回(最終回)
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こどもの正しいクツ選び 連載第2回目です。今回は足の成長と靴のサイズの関係です。パパ、ママがお子様の足について知識を持ち正しい靴選びの方法を身につけましょう。

土踏まず(三つのアーチ)と中敷きのお話

アーチの図

足には大切な三つのアーチがります。このアーチは、体重を支え歩くためにとても重要な役割をしています。

来店される子供さんの足で多いトラブルのひとつに「偏平足」があります。いわゆるべた足のことです。じん帯や筋肉が未発達のために骨のアーチ構造はあるものの完全に形成されていない状態をさしてこういいます。成長に従いそれが形成されていけば問題ありませんが、健全に形成されずに固まってしまうと歩き方も外股でべたべたと歩くようになります。

さらにかかとの骨が外側に回転してしまうと「外反偏平足」という症状をきたすこともあります。立たせて真後ろから見るとアキレス腱からかかとの部分が「く」の字型に外側にはみ出し、うちくるぶしが内側に飛び出してくるので、一見してすぐわかります。足に合わない靴を履かせ続けたことが1つの原因とも考えられます。出来るだけ早く足に合った靴を履かせてあげましょう。

また、年齢にもよりますが足のアーチを支える中敷きを作って靴に入れて履くことで足の疲れや痛みを軽減・改善できることがあります。(治療目的ではありませんので、心配な場合は整形外科に相談しましょう)

外反偏平足

大きめの靴を履いていませんか?
成長に合った靴選びが大切です

普段何気なく歩いていますが、足の裏は小さな砂粒がくっつくだけで「あ、何か足の裏についてる」と敏感に感じ取ります。では大きめのユルイ靴を履くと足はどういう反応をするでしょう? ユルイ靴を履くと足の裏は「この靴は足に合っていない」と敏感に察知し靴が脱げないように趾先(ゆびさき)で靴の中敷きをつまみ上げて歩こうとします。この状態ではひざを曲げ身体を前かがみにしないと歩けません。

これでは姿勢がわるくなるばかりか、足の裏の筋肉の成長をそがいされ学童の時期から偏平足になったり、外反母趾など厄介なトラブルをしょい込むことになってしまいます。ユルイだけの大きめの靴を履くのを避け足の成長に合わせたジャストフィットの靴を履かせてあげることが大切です。

大人でもワンサイズ大きい靴を履いて歩くと、とても疲れます。くれぐれももったいないからと、大きめの靴を履かせるのはやめましょう。

子供靴は足の保険代と考える

研究データによると子供の足は3歳くらいまでの間の成長が著しく、1年に15〜20ミリも成長します。一歳半くらいの歩き始めから2歳児までの間を見ても個人差はありますが、3〜4か月前後で5ミリは成長します。このころは靴が傷む前に買い替えが必要な時期です。(幼児期〜学童期は、四か月〜半年くらいが目安です)

かといって、「どうせ大きくなるんだから」と大きめの靴を履かせたり、「もったいないからもう少し履いてから」と足のサイズより小さい靴のまま履かせていると、後々になってやっかいな足のトラブルを抱えることがあります。「足が健全に育つための保険代」と割り切って成長に合わせた靴を履かせてあげましょう。お子さんは、「靴が小さくなったから、変えて」とはなかなか言わないのも現実です。定期的に足のサイズをチェックすることが大切ですね。

自分の足に合った靴ほど、履き心地の良い事はありません。子供の頃から、気持のいい履き心地(本当の履き心地)を知っているという事は、大きな財産となります。大人になって、“自分で靴を選ぶようになった時足を傷めるような靴を選んでしまわない知恵がある”という事はいつまでも、自分の足で健康に歩けるということに繋がります。では、次に具体的にどんな選び方をしたらいいのかお話ししましょう。

子供靴を選ぶポイント

さあ、ここではお子さんの足の成長に合わせた靴選びのポイントをお話しします。靴はお子さんの足を守り育て、歩くための道具です。まずは、お子様の足の健康に配慮されたシッカリとした靴を選びましょう。片足だけでなく、キチンと両足に履いて、店内をためし履きしながら次の項目をチェックしてください。

◎つま先に7〜10ミリ(成長段階により15ミリ)の余裕があるか
靴の長さや幅と足の長さや幅(太さ)があっているかチェックします。趾が靴のつま先いっぱいに詰まっていては足の成長を妨げ、障害のもとになります。余裕がありすぎるのも歩行が不安定になり、つまずいたりして危険です。つま先の余裕は7〜10ミリ(15ミリ)が適当です。甲周りのフィット感もチェックします。マジックや紐などでしっかりと足が靴の中で固定されているかチェックしましょう。

◎足と靴の屈曲線が合っているか
足の母趾の付け根と小指の付け根を結んだラインを屈曲線と言います。靴も同じように一番幅の広い部分に屈曲線があります。この部分が合っていないとスムーズに歩けません。靴の長さが長すぎても短すぎても屈曲線は合いません。だから成長余裕を見すぎると今度は逆に歩きにくくなってしまいます。
◎かかとの大きさは合っているか
かかとのしっかりした靴を選んでも、かかとの大きさや形があっていないと足は靴の中で安定しません。また、履き口がくるぶしに当たっていないかどうかもチェックしましょう。
◎まっすぐ立てるか、歩いてもかかとが浮かないか
まず立たせて後ろから見ます。かかとが内側や外側にたおれず、まっすぐ立っていればOKです。さらによく歩いてみてかかとがカパカパ浮かないか、足の運びはスムーズかなどをクリアーしていればフィッティング完了です。こうした靴選びは、なかなか難しいので足と靴の専門家シューフィッターのいる店で相談されるのも一つの方法です。お近くにかかりつけ医のような、子供の足の成長をずっと見守ってくれる靴屋をつくると安心ですね。
靴のチェックポイント

靴は正しく履きましょう
お子さんの靴のかかと踏みつけられてませんか

整形外科や接骨院のお医者様の紹介で来店されるお子さんの履いている靴を拝見することがあります。マジックベルトやひもはしめっぱなし、カカトが踏みつぶされおよそ「靴」とは言い難い状態のものをよくみかけます。また、もともとカウンター(カカト周りをささえる部分)の芯材が入っていないために足を支えきれず内側や外側にたおれこんでしまうような靴も多く出回っているようです。

足はあの小さな部位で全体重を支え、バランスをとり、時には歩き、そして時には走ったりと過酷な運動を強いられます。そんな条件をクリヤするためにはそれなりのしっかりした作りの靴を選び、正しい履き方をすることが大切です。玄関先に並ぶお子さんの靴をごらんになってみてください。カカト、つぶれていませんか?

[記事協力]
足と靴の相談室 三喜屋靴店
瑞浪市上平町4丁目3番地
TEL:0572-68-2934

次回「上履きのお話」から「より健康で快適な履き心地」まで


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