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こどもの正しいクツ選び 連載第3回(最終回)
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こどもの正しいクツ選び 連載第3回目(最終回)です。今回は子ども靴から大人の靴のお話です。足と靴について知識を持ち、正しい靴選びの方法を身につけましょう。
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上履きのお話

靴

通学の靴と同じくらい、またはそれ以上の時間、足とかかわる履物に「上履き」があります。一般に「バレーシューズ」と呼ばれる、甲の部分にゴムの入った白い履物が多いようです。この履物はサイズ表示が1センチ刻みになっているため、足の成長の度合いによっては合わないことが当然起こります。

かといって、履かないわけにはいかないので、大きくてゆるいものを履くことになります。痛くはないけれど脱げないように中敷きをしっかりりつまんで歩くため、足は疲れやすく、健全な成長も阻害されることになります。

また、足裏は緊張を強いられるので、臭いのする不快な汗をかきやすくなります。5ミリ刻みのサイズ表示で、かかと部がしっかりとしており、きちんと足に合わせて甲部分をマジックテープで固定できるタイプならより足にフィットし、あるきやすくなります。中敷きが取り外せるものだと、中敷き加工することにより、よりフィット感が得られます。なにより一日中履いている靴となりますから慎重に選んであげたいですね。

足趾(あしゆび)体操でスキンシップ

成長期の子供の足は合わない靴で変形しやすい反面、早めに足に合った靴を履き、足や足趾(あしゆび)の体操をすることでかなり改善されることが期待できます。簡単に出来る体操ですので、お父さんお母さんもいっしょに遊び感覚でやってみてはいかがですか?

足の体操1〜4

(1)ボールを両足でしっかりつかんで、上げたり下ろしたりする。
(2)床の上の鉛筆や棒を足指でつかんで高く、水平に持ち上げる。
(3)ひもを足の真ん中で踏んで、進んだり、戻ったりする。
(4)ロープを両足の指でつかんで、順に送って行く。

足の体操5〜8

(5)友達とベルトやひもの輪をひっぱりっこする。
(6)ビー玉か小石を床にまき、足指を使って立ったまま拾う。
(7)両足の親指でゴム輪をひっぱる。
(8)友達とタオルの両端を片足でつかみ、ひっぱりっこする。

屋外で遊んだり、歩く機会が減ったために、子どもたちの足がひ弱になって来たといわれています。いろいろな体操で足(指)の運動を補ってあげましょう。友達とあるいはお母さんと一緒にゲーム感覚で行うとよいでしょう。また、「ハダシ」で直に自然と触れることも、良いことです。タタミや板の間、砂場、芝生など足の裏からのやさしい刺激も大切なことです。もちろん、屋外ではクギ、ガラスの破片などには充分な注意をしてあげて下さい。

制靴のお話

入学シーズンを迎えると必ず相談を受けるのが学校の指定靴です。「学校で履く靴がローファーに指定されています。履くと靴ずれができて痛くて歩けません。」「足のサイズを目安に前後のサイズを履いてみましたが、小さいときつくて痛いし、大きいとかかとがぶかぶかです。指定靴なので履かなければ思いますが歩くと疲れてしまいます」などなど……ご相談者は毎年十数名ですが、おそらくそれは氷山の一角で、痛みをこらえ「靴に足を合わせる」学生さんが大半だろうと推測できます。

そもそも1種類または2種類の中から何百人もの学生さんの足に合う靴を選ぶこと自体無理があります。また、「ローファー」という 靴の構造から言っても「スポンと履ける靴」は「すぽんと脱げてしまう靴」なのです。若い、足の筋肉に回復力のある年代のうちはよいのですが、年齢を重ねるにつれて無理をしたツケが外反母趾やウオノメといったトラブルとなって発症することもあります。

「歩きやすい黒の靴」のように選択肢を広げてあげた方が学生さんも足のトラブルに悩まされなくて済むでしょうし何より靴のことにわずらわされずに勉強や部活に専念できる環境を与えてあげたいですね。

初めて履く革靴(フォーマル靴)のお話

大学生・新社会人になって革靴との付き合いが始まる方が多いと思います。学生時代はカジュアルな服装に、足元はスニーカー、運動シューズで事足りますが、改まった式典、就職活動、会社勤めとなるとそういうわけにもいきません。

特に女性の場合、ヒールの付いたパンプスを初めて履き足を傷め、つらい思いをしたという方がたくさんいらっしゃいます。成人に近づくと足の骨格はほぼ完成されていますが、足に合っていない革靴を履けば足ばかりでなくひざ・腰をはじめ身体全体に悪影響を及ぼすことがあります。

また、革靴とスニーカーとではその靴の構造上いっしょの履き心地にはなりません。歩く時の靴、改まった時の靴、季節に合わせた靴など、TPOに合わせて履き分ける知恵を身につけましょう。大人への第一歩として初めて履く革靴が履き心地いいものにするためにもデザインだけでなく自分の足にぴったりフィットした靴を選ぶことが大切です。

より健康で快適な履き心地

子ども

これまで幼児期から青年期にかけての足と靴にかかわるお話をしてきました。お子さんの健全な成長のために靴は切っても切れない深い関係にあります。これをきっかけにお子さんの足と靴を見直すいい機会になってくれれば幸いです。なお、成人になると年齢や足、体のトラブルをはじめ、目的に応じた靴選びなどでお話しすることもたくさんありますが、それはまた次回の機会にゆずることとします。少しでもおおくの子供達の足が健やかに育ちますように!

[記事協力]
足と靴の相談室 三喜屋靴店
瑞浪市上平町4丁目3番地
TEL:0572-68-2934

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